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キラキラ

第36章 バースト10


交通手段は、予算や時間などいろいろ考慮して、車を使うことにした。

運転は、免許を持ってる松岡さんと、智兄の二人が交代でしてくれることなった。

もうそれだけで楽しみなのに、さらに、張り切った松岡さんから、最大7人乗れるミニバンをレンタル予約したと、聞く。

……なんだか遠足前の子供のように、ワクワクしてきた。


31日の朝に出発して、元旦の夜に帰ってくる一泊二日の日程。
弾丸スケジュールではあるが、智兄の懐具合と、かずという受験生がいるから、まぁちょうどいいだろう、ということになった。



「ここで待ち合わせ?」

大きなリュックを背負った潤が、嬉しそうにキョロキョロしてる。

全員の家のちょうど真ん中あたりに位置する駅のロータリー。
松岡さんが全員の家をまわって拾うといってくれたが、さすがにタイムロスになるだろうと、一ヶ所に集まることにした。

『それか、俺、みんなを迎えにいこうか』

潤が、瞬間移動のチカラで、みんなを集めようかと提案してくれたが、旅はここから始まってると俺は思っていたし、何より潤を疲れさせたくなかったから、それぞれが動くこととした。



「レンタカー借りてそのまま来るって言ってたから、もうすぐかな」


智兄が、つぶやきながら腕時計に目を落とす。
小さなウエストポーチだけの智兄をみて、潤が俺を見上げた。


「智さんの荷物もそのなかに入ってるの?」


俺の持つ小さなリュックをみて、不思議そうにたずねる。

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