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キラキラ

第7章 ナチュラル

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なんだか、不機嫌になってしまった翔くんは、収録ではそんな素振りはみせなかったけど、終わって楽屋に戻ってきてからの、俺への態度は、あからさまだった。

チラリともこちらをみず、帰り支度をしてる。

ときどき、相葉くんの相手をしつつ、にのに声をかけつつ。



リーダーが、あーあ、という顔をして、同じく帰り支度をしている俺の隣に来た。

「怒らせたね」

「………誰のせいだよ」

恨みがましく、こそっと呟くと、リーダーは含み笑いしながら、首をふった。

「おまえだろ。俺はなんもしてねぇもん」

「きっかけつくったのは、リーダーだろ」

「地雷踏んだのは、おまえ」

あっさり切り捨てられ、リーダーを恨みがましく睨んでやる。

おかしい。最初に怒ってたの、俺だよね?

なんでこうなってんだよ?

ブツブツいいながら、カバンにスマホや雑誌を乱暴に放り込む。
そんな様子を、じっと見ていたリーダーが、ふと思いついたように、口を開いた。

「今日は?おしまい?」

「うん」

「翔ちゃんは?」

「終わり」

本当だと、このまま一緒に俺のマンションに一緒に帰る予定にしてた。
あの様子じゃ、拒否られそうだけど。

あーあ………ただでさえ一緒に過ごす時間少ねぇのに。

「松潤にお願いがあるんだ」

リーダーがいたずらっぽい顔をして、ふふっと小首をかしげた。

悪い顔。

………なに?

「翔ちゃんは多分、お前には言わないから……てか、言えないから」

リーダーがそう前置きして切り出したお願いは………。

「え……」

しかし、リーダーの話を全部聞き終わる頃には、ちょっとその気になってきて、頭でプランを組み立てる俺がいた。
こめかみをコリコリかいて、視線をさまよわす俺に、リーダーは、可愛くとどめをさした。

「ね?お願いだよ?」

「………善処します」

サラリとしめられた話の中身は、ヘビー級。

でも、これ………さらに翔くん怒らせないだろうね?? 
すこし心配。


視線を感じ、顔をあげると、帰り支度を終えた翔くんが、じっとこっちを見てる。

あ。一緒に帰る気はあるんだ。

それだけで嬉しくなる俺は、やっぱり翔くんバカなんだろう。

出口にむかう翔くんに続いて、俺も歩き出した。

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