キラキラ
第7章 ナチュラル
***** ***** *****
無言のまま駐車場までならんで歩き、マネージャーの車に乗り込むと、翔くんも続けて入ってきた。
ハンドルを握るマネージャーが、振り返って、確認してきた。
「櫻井さんは今日は、松本さん家に寄るんですか?」
「うん。よろしく」
翔くんが、短く答えてニコリとする。
その受け答えを見るだけで、俺は嬉しくなる。
たとえ、楽屋からここまで、会話がなくても、俺んちに来ようとしてるってことは、少しは気持ちを軟化させる気があるってことだよね。
走り出した車の窓の外を見るふりをして、ガラスにうつった翔くんを見る。
反対側の窓に肩肘をついて、人差し指で唇をいじりながら、窓の外に視線をやる翔くんは、綺麗だ。
………何を思ってるんだろう。
翔くんから目を離せないまま、小さく息を吐いた。
***** ***** *****
会話もないまま、部屋に入った。
ご飯食べながら一杯飲んだら、ちょっと話もできるかな。
………夕飯は湯豆腐にしようか。
冷蔵庫の中身を思い浮かべ、キッチンに入る。
土鍋はどこにしまったっけ?と、頭上の扉をあけて探しながら、
「翔くんは、休んで…て……あれ?」
今、目の前に立ってた翔くんがいない。
あれ?、と、視線をめぐらしてると、後ろからふわりと腕がまわってきた。
ゆっくり、俺のお腹の前で組まれる腕。
背中があたたかくなると同時に、肩にコトンと頭がのる。
いっきに心臓が跳ね上がった。
なに?………なんのアクション?
「………翔………くん?」
「………………潤」
「………………なに?」
「ちょっとつきあえ」
「え?」
思わず聞き返すと、ぐいっと肩を反転させられ、
あっという間に、翔くんに顎をつかまれ唇をふさがれる。
「………っ」
至近距離にある目を閉じた翔くんの顔。
重ねるだけの唇が少し震えてる。
時間にして数秒のことだけど、思わず息をとめてたせいか、唇を離されたと同時に、大きく深呼吸をしてしまった。
戸惑って問う。
「………どしたの」
「………俺、あの役できっかな………って試してんの」
困ったように微笑んだ翔くんは、自分からしかけたくせに、恥ずかしいのか頬が赤い。
無言のまま駐車場までならんで歩き、マネージャーの車に乗り込むと、翔くんも続けて入ってきた。
ハンドルを握るマネージャーが、振り返って、確認してきた。
「櫻井さんは今日は、松本さん家に寄るんですか?」
「うん。よろしく」
翔くんが、短く答えてニコリとする。
その受け答えを見るだけで、俺は嬉しくなる。
たとえ、楽屋からここまで、会話がなくても、俺んちに来ようとしてるってことは、少しは気持ちを軟化させる気があるってことだよね。
走り出した車の窓の外を見るふりをして、ガラスにうつった翔くんを見る。
反対側の窓に肩肘をついて、人差し指で唇をいじりながら、窓の外に視線をやる翔くんは、綺麗だ。
………何を思ってるんだろう。
翔くんから目を離せないまま、小さく息を吐いた。
***** ***** *****
会話もないまま、部屋に入った。
ご飯食べながら一杯飲んだら、ちょっと話もできるかな。
………夕飯は湯豆腐にしようか。
冷蔵庫の中身を思い浮かべ、キッチンに入る。
土鍋はどこにしまったっけ?と、頭上の扉をあけて探しながら、
「翔くんは、休んで…て……あれ?」
今、目の前に立ってた翔くんがいない。
あれ?、と、視線をめぐらしてると、後ろからふわりと腕がまわってきた。
ゆっくり、俺のお腹の前で組まれる腕。
背中があたたかくなると同時に、肩にコトンと頭がのる。
いっきに心臓が跳ね上がった。
なに?………なんのアクション?
「………翔………くん?」
「………………潤」
「………………なに?」
「ちょっとつきあえ」
「え?」
思わず聞き返すと、ぐいっと肩を反転させられ、
あっという間に、翔くんに顎をつかまれ唇をふさがれる。
「………っ」
至近距離にある目を閉じた翔くんの顔。
重ねるだけの唇が少し震えてる。
時間にして数秒のことだけど、思わず息をとめてたせいか、唇を離されたと同時に、大きく深呼吸をしてしまった。
戸惑って問う。
「………どしたの」
「………俺、あの役できっかな………って試してんの」
困ったように微笑んだ翔くんは、自分からしかけたくせに、恥ずかしいのか頬が赤い。