
キラキラ
第37章 寵愛一身
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俺が恋人になって、松本は学校をサボることが減った、と、相葉が言ってた。
前までは、午前中きて、午後帰るとか。
午後きても、ずっと裏庭で寝てるとか。
出席日数だけは気にしていたみたいだが、あまり授業に積極的に参加する方ではなかったみたいだ。
だが、俺がきちんと六時限まで授業をうけるものだから、必然的に松本も放課後まで学校にいなくてはいけない。
さすがに、松本も俺には授業をサボれとはいわない。
……よい傾向だと、教師は喜んでるらしい。
相葉いわく、松本はもともと頭のよい人なんだそうだ。
勉強なんて、やってないみたいに見えて、テストをするとそこそこの点数をとってくると言ってた。
ヤンキーのリーダーなんかしてるけど、根は真面目なんだろうな、と思う。
……なーんて、言ったら怒られそうだけど。
俺は、退屈な英語の授業をうけながら、外をぼんやり眺める。
窓際の席の特権といえよう。
開け放った教室の窓からは、秋特有の高い空がみえる。
風も爽やかで、気持ちがいい。
広いグランドでは、二クラスが体育の授業をしているようだ。
ハーフパンツのラインの色を見るに、ハンドボールの試合をしてるのが……二年。
サッカーの試合をしてるのが、三年生みたいだ。
