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キラキラ

第37章 寵愛一身


二年は……、とみると、ハンドボールをしてるメンバーに、ひときわ目立つ金髪を見つけた。

長い手足で、ボールを奪っては、次々とゴールにシュートを決めてる。

相葉だ。

松本のグループの中でも、一番運動に秀でてると言われる人だけあって、さすがの動きだ。

……と、すると、同じクラスのはずだから、松本と上田もいるはず……。

俺は、思わず身を乗り出して姿をさがす。


試合をしてるプレイヤーのなかに二人はいない。
グランドのあちこちに目を向けると、木陰で寝転がってる松本を見つけた。


……いた


めんどくさいから参加しない人がここにもいた。
長い足を組んで……もしかして本気で寝てるのかもしれない。
体育教師もなめられたもんだよね。

俺は、心でくすっと笑い、その横で座ってる上田に目を向ける。

彼は、真剣な眼差しでなにかを……誰かを見つめていた。


…………?


その視線の先は、サッカーをしている三年生。
しかも、ボールから離れた位置を悠然と歩いている人の方をみてる。


…………櫻井を……みてる?


俺の視力は、1.5だ。
上田は、櫻井を見つめてるようにみえた。

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