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キラキラ

第37章 寵愛一身



放課後、松本と駅前の大型書店を訪れた。


「あった……」


平積みになってる単行本の最新刊を手に取り、くるりと振り返ると、松本は、途中の雑誌コーナーで立ち止まり、なにやら物色している。

エロ本だったら、つっこんでやろうと思いながら近づいたとき、松本を挟んで反対側にいる女子高生のグループに気づいた。
制服があれは……たしかK高?


…………


松本の斜め後方に位置してるせいで、松本は気づいてないみたいだけど、俺からはよくみえた。

三人くらいが、きゃいきゃいと、一人の女子高生の背中を、松本に向かって押しだそうとしてる。
その押されそうな子は、やめてよ、と笑いながら、まんざらでもなさそうな感じだ。


……これは……


鈍い俺でもわかる。
松本にアタックしようとしてるんだよね。

化粧をして、髪の毛を巻いて、スカートを短くして。
胸もお尻もある、健康的な可愛らしい女の子だ。


ちくりと胸が痛んだ。

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