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キラキラ

第7章 ナチュラル

震える手で、翔くんの手をとめる。
でも、力が入らなくて、あっさり振りほどかれて、翔くんの手がシャツの中に侵入してくる。

翔くんの長い指が、胸の尖りを掠めるように触れる。

「………んっ………あ」

意思とは無関係に体がピクリとはねた。
その間も、執拗に続けられるキスに、頭がしびれてくる。

適格に攻めてくる、翔くんの、指先がいやらしい。
どこで覚えるんだ?と、疑問に思うが、あ、俺か………と思い直す。

尖りをつままれ、つぶされ、転がされる。

「………はっ………んあっ………」

「………潤…可愛い」

キスの合間に低く囁かれて。

俺はパニックになってきた。

ダメだダメだダメだ!
逆だ!逆!!!

「翔くんっ………ちょっとストップ………!!」

「………え?」

顔を振り、翔くんの唇から顔を背けた。

「ごめっ………これ以上はダメ………」

「なんで?」

「なんでって………なんで?」

キスの途中で無理矢理離れられたからか、翔くんが不満そうに、なんで?っていうから、慌てて俺もなんで?って聞き返した。

「だって………このままだと……」

「今日は、つきあえっつったじゃん」

翔くんが強気に口を尖らせた。

「今日は、主導権、おれが取るよ」

「いや………でも、待って」

「やだ」

「翔くん………っ」

翔くんは、嬉しそうに俺を抱き締めて、囁いた。

「だって、潤、超可愛いぜ……攻めるのハマりそう」

なにいってんだよ!
なに、いきなりカッコよくなってんだよ!
それは、俺が言うセリフだそ!

「心配しなくたって、最後まではしないよ」

「………あっ…当たり前だっ!!」

怒鳴ったら、翔くんがふふと笑って、俺の背中を抱いて、体を反転させ、ゆっくりと床に押し倒した。

力のはいらない体はあっさりと組み敷かれ。

俺は、呆然として翔くんを見上げる。

こんな体勢、あっちゃならないのに。

翔くんは乱れた前髪の間から、熱っぽい眼差しで俺を見つめてる。

それはいつもの可愛い翔くんじゃなくて、完全に雄の目になった翔くんだった。







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