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キラキラ

第37章 寵愛一身


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最新号の漫画雑誌を買いに行きたいという松本につきあい、いつもの書店に入る。

思えば、ここで松本に告る子を見つけたのが、モヤモヤの始まりだった。


……バカだな、俺。


今なら、そんなこと絶対思わないのに。


ちょっと嫌な記憶のあるここで、前のように別行動をする気にはなれず、俺は、松本のそばで雑誌コーナーをウロウロしていた。

いつもはファッション雑誌なんか興味はないけれど、なんとはなしに、この服、潤くんに似合いそうだなぁ…なんて、思いながら、平積みにされてるそれらを眺めてゆく。

すると、知った顔の人が、思いきりカッコをつけて表紙を飾ってるのを発見して、固まった。


……え?!!


それはどこをどうみても、ついこないだまで松本のお世話をしていた……光一さん。
白いシャツの前をはだけさせ、挑戦的な瞳でこちらを見ている彼は、別人のようにエロティック。

……綺麗な人だとは思っていたけど、こうしてみると、その美しさは、異次元だ。


「あ、新しいの出てんじゃん。……相変わらず、すかしてんな、こいつ」


横からのぞいてきた松本が、呑気にそんなことをいうから、思わず俺は、


「こ、これ、やっぱり光一さんですよね??」


と、わかりきったことを聞いてしまった。

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