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キラキラ

第38章 バースト11


正月気分がまだ少し残ってる日本列島だが、明日の月曜日から、だいたいの企業は仕事はじめとなる。
智兄の会社も例外ではない。


智兄は、うす暗い空を嫌そうにながめ、

「雪はやだな……」

と、呟いた。

今日降れば、明日は確実に影響が残る。
例え量が降らずとも、足元は最悪だろう。

俺は、智兄のパンをトースターにいれながら、そうだね、と頷いた。


「仕事始めから、交通マヒは勘弁してほしいよね」

「まったくだ」


俺のいれたコーヒーをふーふーしながら、智兄は、ふと部屋のなかをキョロキョロ見渡した。


「……かずは?部屋か?」

「うん。追い込みだからね。頑張ってる」

「受験かぁ……おまえもそうだったけど、二人とも頑張ってえらいな」

「……なんか、台詞が親父目線だよ、智兄(笑)」

くすくす笑って、ハムエッグをのせた皿とパンを差し出すと、智兄は、そぉか……?と苦笑し、ありがとう、と言って、パクリとパンをかじった。

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