
キラキラ
第38章 バースト11
カウンターに置きっぱなしのスマホが点滅しているのに気づき、手に取ると、メッセージを受信していた。
『今日、あいてる?』
おはようのスタンプに続く、女の子みたいな言葉に、思わず笑みがこぼれた。
『あいてるぞ』
手早く送信すると、すぐに既読がつく。
おおかた、俺からの返信をずっと待っていたのか。
チカラでもなんでも使って、いつでもおしかけてくればいいものを、礼儀だ、と言って、こいつは絶対そんなことをしない。
電話に切り替わったスマホが、プルプルと電子音をならし着信を知らせる。
画面を撫でて、はい、と応答すれば、弾んだ潤の声が飛び込んできた。
『おはよ。翔』
『おはよう。早いじゃないか』
『……10時だけど』
『お前にしたら早いだろ』
寝起きの悪い恋人をからかって、くすくす笑ってると、電話口でむくれる声がした。
『もぉ……』
『どこか、行きたいとこでも?』
『……うん。俺、翔とボーリングいきたい』
『……唐突だな』
『行ったことないじゃん?』
『そうか……まぁそうだな』
『カラオケでもいいよ?』
『ボーリングにしよう』
『なんでだよ(笑)』
カラオケを、即却下した俺に、潤が笑って突っ込んだ。
