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キラキラ

第38章 バースト11


次に、ベッドに横たわる智兄をみつめる。

どうみたって、ただ眠っているようにみえるけど。

千里眼の智兄は、目を閉じていたって、俺らの様子なんか手にとるようにわかるのだろう。

それにかずと会話してたと思われるが、ピッ……ピッという電子機器の音に変化がないところをみると、チカラを行使してるときに、脳波なんかは影響しないということがわかった。

いまいち、この能力のメカニズムは俺ら自身にもわかってないから、なんともいえないけど。

智兄の様子をみながら、俺は潤を抱き締める腕を緩めた。


「……平気か」


さっき倒れたのは絞め技でもくらったのか。
喉をおさえて、苦しそうな潤は、それでも気丈になんでもない顔をつくり、頷いた。


「それはそうと、大野翔くん。あなたも是非我々の研究に協力してくれないか」

「……あ?」

「本物の超能力の……データを是非ともとらせてほしい」


厚顔無恥とはこのことか。
怒ってのりこんできた相手に、よくもまぁそんなことがいえる。


「お断りだ」

「頼みます。こんな特殊な人間に会えるなんてめったにないことだ」

「……特殊?」


俺は、目を細めた。

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