
キラキラ
第38章 バースト11
「あなた方一族は、みんな何らかのチカラをもっていらっしゃるようですが……」
「……」
「今のところ、大野さんにおいてはそのチカラを行使してるところに遭遇したわけではないので、どれだけデータをとっても、普通の人とかわらないんですよ」
……あたりまえだろ
舌打ちしたくなる。
普通なんだ。俺たちは。
「ですので、あなたにも……」
「しねぇ」
即答した。
モルモットになるなんて真っ平ごめんだ。
「少し何かを動かしてもらえればいいので」
「……死んでもやんねぇ」
俺の答えに、そいつの顔が強ばる。
「ならば。こちらにも考えがあります」
そいつは、白衣のやつになにかを指示した。
二人の視線が、同時に智兄にむけられた。
潤が反射的に俺の腕を握る手に力をこめた。
やばい。智兄に何かされる
智兄の体があちらにある以上、話し合いは圧倒的に不利だ。
そいつの手が、何かの電子機器に添えられる。
止めなきゃ、と、咄嗟に俺が集中しかけたとき。
(三秒前)
かずの声がふっ、と頭に響いた。
智兄が、パチリと目をあけ、起き上がりながら、頭につけられたパッドやコード類をまとめて引っ張り、取り去るのを、スローモーションのように見た。
