
キラキラ
第38章 バースト11
智兄は、続けて、腕にささる点滴の針も引き抜いた。
そうして、身を翻しベッドからおりたとたん、体が言うことをきかないのか、その場に座り込む。
てっきり裸にされてるとおもってたが、それは上半身だけで、スエットのような下のズボンは身につけていたから、そこだけはホッとした。
「……くそっ!投薬ミスか?!」
「誰か、つかまえ……!」
させるかよ!
俺は無言で全員の足止めをして、潤とともに智兄に駆け寄った。
やつらは足が動かないだの、手が動かないだの、わーわー言ってる。
そんななか、俺は智兄を抱き起こした。
ほんの数日なのに、一回り小さくなった気がする。
智兄は、真っ白な顔で、俺をみて、微笑んだ。
「……来ると思ってた」
「あたりまえだろ。立てるか」
「……ごめん、力が……全然入んねぇわ……」
智兄は、俺にすがる手に力をこめようとするが、うまくいかないようで。
俺は考えた。
