
キラキラ
第38章 バースト11
その時、感動的でしっとりとした空気を、
ぐーー
と、軽い間抜けな音が走り抜けた。
「ふっ……ふふっ……智さん……もぉ」
鼻がつまった声をあげ、かずがクスクス笑った。
「え、いまの腹の音??」
俺は、まさかと思いながら、かずが抱きついて離れない智兄を振り返ると、智兄は、ばつがわるそうな顔をして口を尖らせた。
「しょーがねーだろ。寝てばっかでなんも食ってねーもん」
「……なんか、安心」
潤も俺の腕の中から離れながら、くすくす笑った。
俺は、肩をすくめて、かずの腕をそっとひく。
「なんか作るよ。みんな夕飯にしようぜ……ほら、かず。立てるか」
恐ろしく熱い体だったが、かずは嬉しそうにうんうんと頷いて、
「うん。ねぇ、翔さん、俺も食べる」
と、ねだった。
「食えるか」
「うん。みんなと食べたい」
熱がでたら極端に食わなくなるかずにしたら、珍しいことだった。
智兄は、相葉くんの手を借りてソファーに横になってる。
俺は腕まくりして呟いた。
「………よし。胃に優しいものでもつくるか」
「俺、手伝うね」
「……サンキュ」
ニコニコした潤と共にキッチンに入った。
