キラキラ
第38章 バースト11
簡単な煮込みうどんをつくり、五人で食べた。
……すごく美味かった。
相葉くんも潤も、我が家の出汁をとてもほめてくれた。
俺自身も、智兄が心配であまり食べてなかったからか、もりもり食べた。
かずは、少し食べて、あとはニコニコして座ってた。
よほど嬉しかったのだろう。
なかなか横になろうとしないから、逆に心配してしまったけど。
智兄も、いつもの半分の量しか食べられないみたいだったけど、うまいなぁ……と、呟いて箸を動かしてた。
ひさしぶりの食卓に、心があったかくなった。
潤と相葉くんが帰り、かずが寝たのを見届け、リビングに戻る。
軽くシャワーを浴びた智兄は、やはり起きてるのはつらいのか、クッションに頭をのせて横になってる。
「……智兄。ベッドで寝なよ」
目を閉じてる体を軽く揺すると、智兄はぼんやりと目を覚まし、ふふっと笑んだ。
「そだな……ずっと固い台の上だったから、体がいてーわ……」
「……大丈夫?」
智兄は頷いて、ゆっくり体を起こした。
その背中をそっとささえる。
すると、智兄はうつむいたまま、
「…………翔」
ポツリといった。
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