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キラキラ

第38章 バースト11


特別、と言われることを、俺たちは好かない。
普通じゃない、と言われることは、もっと嫌だ。


……確かに自分達は能力者だ。


でも、それを、別にひけらかして生きてるつもりはないし、俺らにしたら足が早い、物知りだ、料理ができる、それらの部類のひとつの特技と捉えてる。

これらは全部、大野家の教え。

物心ついたころからあったこのチカラは、智兄と俺だけで、両親にはなくって。
だけど、おおらかな人たちだったから、俺たちを特別扱いせずのびのび育ててくれた。

それでも、小学生高学年のころから、俺は周りの目が気になるようになって……。
ついに家からでれなくなった俺に、ずっと寄り添ってくれたのが智兄だった。

強い俺になれたのは、両親の育て方もあるが、智兄の存在が大きい。

正直、智兄がいなかったら、今の俺はない。



「……智兄」

「ん?」

「大好きだよ」

「……潤に怒られるぞ(笑)」

「……別の大好きに決まってんだろ」


俺は腕で顔を拭い、智兄を見上げた。
智兄は、いつもとかわらない優しい眼差しで、俺を見つめてくれていた。

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