
キラキラ
第38章 バースト11
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「受験票持ったか」
「うん」
「これ、弁当な。残してもいいから、食える範囲で食えよ」
「うん、ありがと」
ダッフルコートを着込みながら、かずは、頷いた。
その表情は、最後の追い込みを終え、いっそ清々しささえ感じるものであった。
受験日の朝にこの表情ができるってすげぇな、と思う。
できる準備はすべてやったという自信からくる落ちつきなのだとしたら、たいしたものだ。
さっきから、トイレは大丈夫か、忘れ物はないか、とおろおろしてる智兄とは雲泥の差だ。
飄々としてる智兄は、なぜだか、かずのことになると、すごく心配性になる。
もう最早、親目線なのだろう。
「いいか、かず。緊張したら、手のひらに[人]って10回書くんだぞ」
「智さん、それをいうなら三回でしょ(笑)」
「……そうだったかな?」
「そうだよ。でも大丈夫。あんまり緊張してない」
「そうか。……頑張ってこいよ」
「うん」
かずは、ふわりと笑って、俺たちを見て。
ペコリと礼をした。
「それじゃ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
「気をつけてな」
「受験票持ったか」
「うん」
「これ、弁当な。残してもいいから、食える範囲で食えよ」
「うん、ありがと」
ダッフルコートを着込みながら、かずは、頷いた。
その表情は、最後の追い込みを終え、いっそ清々しささえ感じるものであった。
受験日の朝にこの表情ができるってすげぇな、と思う。
できる準備はすべてやったという自信からくる落ちつきなのだとしたら、たいしたものだ。
さっきから、トイレは大丈夫か、忘れ物はないか、とおろおろしてる智兄とは雲泥の差だ。
飄々としてる智兄は、なぜだか、かずのことになると、すごく心配性になる。
もう最早、親目線なのだろう。
「いいか、かず。緊張したら、手のひらに[人]って10回書くんだぞ」
「智さん、それをいうなら三回でしょ(笑)」
「……そうだったかな?」
「そうだよ。でも大丈夫。あんまり緊張してない」
「そうか。……頑張ってこいよ」
「うん」
かずは、ふわりと笑って、俺たちを見て。
ペコリと礼をした。
「それじゃ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
「気をつけてな」
