
キラキラ
第8章 バースト
童顔だから、二個も上とは思わなかった。
へぇ………ってじっと、翔を見てると、翔は俺の視線に気がついて、にこりとした。
「で、そいつがうちの居候の、二宮和也」
大野さんが、かずを指差した。
…………居候?
「翔の一個下だから………高二だな」
ぶつぶつと、確認しながら言う大野さんに、かずはちょっと笑って、いつになったら覚えるのよ?と言った。
「それで、だ」
大野さんは、口調を少し改めて真面目な顔つきになった。
「きみが一番聞きたいのって、多分、翔の不思議な能力のことじゃないかと思うんだけど」
俺は、黙って頷いた。
「…………結論から言えば、この場にいる人間、相葉くん以外、全員能力者だ」
その場が一瞬、しんとなった。
俺は、大野さんの静かな瞳を見つめる。
それから、隣に座る、翔の大きな瞳に視線をうつし、反対側に座るかずの茶色がかった深い瞳を見た。
能力者?
…………チカラを持ってるってことか?
大野さんも?
………かずも?
ふと、雅紀を見やると、普通に受け入れる顔をしてるのに、驚愕する。
まるで、知っていたかのような、雰囲気。
なんで?
驚かないのかよ?
普通じゃ、考えらんねーこと言ってんぞ?この人。
「相葉くんは、俺達がチカラ使うとこ見て、もう既にびっくりしつくしてるから、普通にしてるだけだよ」
かずが、俺の心を読み取ったかのように、つけ加えた。
「…………え?」
続いて、翔が思い出したかのように、クスっと笑い、驚いたよ、という。
「潤が、さっき暴発さながらに出したチカラは、その場に居合わせた相葉くんを跳ばした。で、その相葉くんは、この家に跳んできたんだよ」
「え?」
「しかも…………さ?」
翔は、クスクス笑いだして最後はハハハっと声をあげた。
「ソファーで、寝てたかずの真上に落っこちてきたんだ」
「…………真上」
思わず、その華奢な体型のかずを見ると、思い出したくないと言わんばかりに、かずは嫌そうに眉をしかめた。
「かずは、あんまり体が強くないから、その時もちょうど横になってたとこでさ。ちょっと焦ったよ?」
雅紀が、小さくなって、またごめんね。といった。
…………いやいや。それ雅紀悪くねえし。
…………俺が悪いのか???
