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キラキラ

第39章 バースト12


「……お前らしくない判断ミスだな」


帰りの電車に揺られながら、智兄が疲れたように欠伸をした。


「……だって」


俺は口を尖らす。

結局、母さんに押し切られる形となり、俺は無理矢理、あの女性と連絡先を交換させられた。
清楚でおとなしいイメージだったが、口を開くと意外とハキハキしており、煙に巻くのが面倒なタイプにみえた。

俺は、はぁとため息をつく。


「…ああするしかなかったじゃんか」

「まぁ、そのおかげで…俺は助かったんだがな」

「そうだよ。ずるいな」

「ふふ……黙るが勝ち」


智兄には相手がいるからダメだと。ならば俺と女性をくっつけようとする母さん。
それって、誰でもいいってことか??と、疑問しかわかないんだけど。


「要はビジネス見合いだろ。相手もそれはわかってるっぽかったしな」


智兄は、頭をガリガリかいた。


「でも…あの子は、母さんが智兄と引き合せるために連れてきたと思ってたから…智兄がだめだと分かったらあきらめると思ったんだよ…」

「甘いな。なおさらだ。あの母さんだぞ。ちょっとやそっとじゃ引き下がらねぇよ」

「……うん。俺が甘かった」


しょんぼりとしながら、電車を降りた。

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