
キラキラ
第39章 バースト12
2日後。
父さん母さんがアメリカに帰るというのに、見送りもなしってのもなぁ…、と考え、自由のきく大学生である俺が空港に向かった。
平日なので智兄は、仕事だし、身内ごとだから潤を誘うのもどうかと思い、1人ででかけることにする。
智兄の車を拝借して、高速を走る。
車内は、最近気に入ってよく聞くようになった外国のアーティストの曲。
口ずさみながら、ちらりとナビに目を走らせた。
到着まであと15分というところか。
免許をとり、運転できるようになって、自分の行動範囲が一段と広がった気がする。
そりゃチカラを使えば、どこでも飛んでいけるが、普段はきちんと陸路をとることが大前提だ。
潤を連れて何回か海にも行った。
助手席に恋人というシチュエーションが、なんだか嬉しくて、信号待ちのときにキスしたら怒られた。
真っ赤な顔して、俺を見上げる潤が可愛くて…
そんな光景をふっと思い出し、自分でも分かるレベルで、にやけてゆく。
前を走る車は、バックミラーごしに、あの運転手1人で乗ってるくせになにを鼻の下のばしてるんだ、と気味悪がってるかもしれない。
