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キラキラ

第1章 アーモンド

「……俺、かっこつけて送るよって言ったけどさ。考えてみたら、翔くん家知らねえわ」

「……そうだったかな」

「そうだよ。これ、このまままっすぐ?」

「まっすぐ」

幹線道路を直進中の車内は、静かな音楽と、暑くもなく寒くもない空調と、リラックスできる香りで快適だった。
助手席におさまって、流れる景色をみてたら、さっきまでドキドキしてたのが次第に落ち着いてくる。

(大体、さっきのは緊急事態だったし)

(あんなんキスじゃねえし)

(潤が全然気にしてないのに、俺だけ挙動不審なの変だし)


勝手に結論づけて、運転席をちらりとみやる。

右手でハンドルをさばきながらの、潤の運転は、とても丁寧だ。

「……さすがだな」

「え?」

「いや、運転。うまいじゃん」

潤は、嬉しそうに、「そ?」って言って笑う。

「……翔くんは、他の誰かの車に乗ったことあんの?」

「メンバーでは、お前が初めてかな」

「やべ。じゃ、俺が基準になるじゃん」


くすくす笑いあった。






……潤の笑顔が好きだ。


一番年下のくせに、一番大人びてて。

お洒落でスマートな世の中のイメージ通りな男かと思いきや、江戸っ子なみの男気があって。

情に厚くて、意外と……涙もろくて。

末っ子だから……なんて、いつのまにか言えなくなってるほど、いい男になった。

年上だからって、頑張らなくてもいいって、教えられたのは、こいつのおかげ。

もちろん、雅紀やニノや智くんにも助けられるけど、たぶん。


俺がピンチな時を分かって、絶妙なフォローをくれるのは。

一番、俺を見てくれてるのは。



  ……潤なんだろうな……




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