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キラキラ

第39章 バースト12


あのさ……、と、翔がため息をついた。


「お前がたった今喋ってたのは、誰だ?」

「………翔のご両親」

「俺は、両親にお前を恋人だと宣言したつもりでいたが……それは俺の夢か?」

「………違う」

「ならなんで、そんなくだらねぇこというんだ?」


翔は、ともすればヒートアップしそうなのを我慢しているのか、必要以上に淡々としていて、それがかえって怖い。


でも、待って。


俺は唇をかむ。


もともと怒ってたのは俺じゃん!!
翔が不機嫌になるのおかしくない?


ドクンドクンと、痛いほどになる心臓を感じつつ、俺は、意を決し、体を離して翔をキッと見上げた。


「くだらなくない!これは俺が一番怖い事だってさっきも言ったよね?」

「…………」

「俺が女の人に負けるなんて思ってない。翔をとられるなんて思ってない!でも身内に反対されたらダメなんだ。排除される方向に持っていかれたら、俺は身をひくしかないんだ」

「…………潤」

「そればっか考えてたから!………だからっ」

「潤」



俺は、再び、翔にぎゅっと抱き締められた。

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