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キラキラ

第39章 バースト12


「仲直りできたみたいだね」


リビングにもどってきた俺たちを見て、かずがホッとしたように声をかけてきた。


「ばーか。もともと喧嘩なんかしてねぇって」


翔は、くすっと笑ってキッチンに入ってゆく。
カフェオレでもいれるかー、と、呟きながら冷蔵庫の中身を眺めてる彼を、ぼんやり見てると、頭にかずのテレパスがとんできた。


『………もう大丈夫?』

「…………」


振り返った俺が、こくんと笑顔で頷いてやると、かずも、ニコリと微笑んだ。


ずっと心配してくれていたんだろうな。
そういや、かずの声シカトしたっけ、俺。


『ごめん。ありがと』


俺の心の声を感じ取ってくれたかずは、うん、と頷いた。

そして、


「潤くん、昼間の続きやろ。」


かずは、おもむろにゲームのコントローラーを見せてきた。


「ええ……かず強いから勝てねぇもん」

「ハンデあげるから!ね」


立ち上がったかずが、俺の手を引いて半ば強引にソファに座らせる。

同時に大きなテレビに映し出されるゲームの画面に、俺は苦笑する。


もうロード中じゃん………


時計をみれば、時間はまだ10時をまわったところだ。


「……じゃあ、少しだけな」

「うん」


昼間より格段に軽くなった心で、俺はコントローラーを握りしめた。

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