テキストサイズ

キラキラ

第39章 バースト12



「何で………」


カホは唖然とした顔で、俺たちを見つめる。
俺一人を狙ってここに出向いてるのに、どうして翔もいるのか分からないといった表情だ。


俺は、肩を抱く翔の力強い腕を感じながら、口を引き結ぶ。


……俺にだって分からない。
今日は翔はバイトのはずだから会う約束はしてない。


でも、来てくれた。
その事実が俺に勇気を与えてくれた。


恋人だ、と宣言した翔の言葉に、カホは、気を取り直すように鼻をすすり、俺たちを改めて見据えた。


「恋人って……男同士よ?」

「ああ」

「馬鹿げてる」

「そうかな。親公認だけど?」



淡々と返す翔は、感情をおしこめてるようにみえた。



「こんな人…翔くんに釣り合わない」

「こんなって言うな」


ピシャリと跳ね返して………翔は吐息をつく。


「悪いが、もうこいつにも近づかないでくれ」

「翔くん…!」

「ごめんな。この先も俺は君を好きにはなれないし、なることもない」


言って、翔は行こう、と、俺を促した。

俺は黙って歩き出した。

バカみたい!!と、捨て台詞が聞こえてきたけど、無視して歩いた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ