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キラキラ

第39章 バースト12



無言で腕を引かれ、スタスタ歩いてゆく翔に、必死でついてゆく。

周りの目を一応気にしたのか、翔は俺の肩を抱くことはやめたが、密着してることにかわんない。


……これも、ある意味目立つんじゃない?


「翔…!あの…離して!」


小声で訴えると、


「……」


翔は、我に返ったように、俺の腕を離して、歩く速度をおとした。
そうして、俺の顔を振り返る。
その表情は、さっきまでの冷静沈着な翔ではなく


「他に……変なこといわれなかったか」


俺をひたすらに心配する恋人の顔だ。


「うん……」


俺は笑って頷いた。
心配してもらえることが、心地いいだなんて、言えない。
ましてや、その表情がめちゃくちゃカッコいいと思うだなんて、言えない。


「悪かったな、俺のせいで嫌な思いさせて」

「………ううん。平気だよ」

「お前のとこまで来るなんて、思ってなかった」

「それなんだけど。翔、今日塾のバイトじゃなかった?」



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