キラキラ
第40章 星空に届け
………それにしても寒い。
俺は、ハクションとくしゃみをした。
こんな日は、鍋に限る。
風呂上がりに冷奴とビール、と思ってたけど、やっぱ、湯豆腐だな。
………ちょうどネギもあるし。
そもそもあまり食わないから、1品あれば事足りるのだ。
コタツに入って、鍋ごとつつくか。
なら、ビールやめて日本酒にすっかなぁ……
そんなことをぼんやりと考えながら、自宅のあるアパートの敷地に足を踏み入れた。
ジャリジャリと砂を鳴らし……ふと。
…………?
何らかの気配に気づく。
俺は思わず足をとめた。
俺のアパートは古いから二階にあがるには、外付けの階段をのぼる必要がある。
その階段の一番下の段に…………誰かがいる。
最初は子供かと思った。
だが、よくよく目を凝らしてみれば、それは蹲るように座ってる小柄な男のようだった。