キラキラ
第40章 星空に届け
うつむいてる髪の毛はボサボサ。
着てる物はよれよれのロンTにジーンズ。
さらには、この時期にビーチサンダルという、不審者そのものの出で立ちだ。
季節感まるでなし。
俺は警戒レベルをあげる。
これは関わってはダメなやつ。
見て見ぬふりをするのが一番だと。
だが、そう分かってはいるけれど………あいにく俺の部屋は二階で。
そいつの座ってる横を通り過ぎないと部屋に入れない。
……………無視だな
俺は、石ころがあるだけだ、絶対に反応してはいけない、と心でブツブツ唱えながら、足早に階段をのぼった。
カン、カン、カンといういつもより早い音を鳴らし、二階廊下からそっと見下ろせば、そいつはピクリともしないでそのまま座り込んでる。
俺は、やり過ごせたことにホッとして、そのままガチャガチャと鍵を開き、足早に部屋に入った。
明かりをつけ、カーテンを閉める。
やれやれ………
自分の城に落ち着けたことに安堵しつつ、俺は湯豆腐をつくるべく、小鍋に水をいれた。