キラキラ
第40章 星空に届け
ふと、時計に目を走らせた。
…………12時か
日本酒片手に、絵でも描こうかと、ぼんやり鉛筆を走らせていたけれど、今夜はなんだか気分が乗らない。
カタリと鉛筆をおき、あーっと伸びをする。
コタツにゆっくり横になると、とたんに睡魔が襲ってきた。
このまま寝たら風邪をひくかな…と、思いながら、あまりの気持ちよさにうとうとと意識を手放そうとした時。
「………?」
どこからか叱責するような声が聞こえてきて、目を開ける。
警察呼ぶぞ、だとか。
どっか行け、だとか。
不穏な内容の大きな声がする。
あ…もしかして
働かない頭で、薄ぼんやり考えた。
切れ切れに聞こえてくるそのワードから、それらは階段に座っていたあいつに向けられているものであろうと察しがついた。
おそらく、このアパートの住人が追い払おうとしてくれているのだろう。
まだいたんだ、あいつ、と思いながら、寒いなぁ、と、こたつ布団に再びゴソゴソ深くはいりかけたら。
コンコンコンコンコンコン
おおよそ夜中には似つかわしくない、無遠慮なノックの連打音が響いた。
………はぁ?
俺は顔をしかめ扉をみつめる。