キラキラ
第40章 星空に届け
は?!
「なんだこらっ」
慌てて、力任せに引き剥がそうとしても、痩せっぽちなこの体のどこにそんな、というようなバカ力で、いっそう抱きついてくる。
「………こいつおたくの連れ?」
後ろから、何度か挨拶する程度には顔見知りの住人の迷惑そうな声がした。
「いや、違う!」
俺は激しく首を振って否定した。
だが、住人は首を傾げる。
「でも、こいつはおたくのこと知ってるみたいだぞ。話しかけたら、一目散にこの部屋に向かっていったけど」
「え」
俺らの会話にあわせるように、胸の上のボサボサ頭が、コクコクと首を縦に振った。
いやいや!待て!
住人は、俺らを見てふうと肩をすくめた。
「ま、とりあえず、あんなとこに居座られたらマジ邪魔だから。このままおたく引き取って」
じゃあ、と言って去ろうとする彼の背中に、俺は大慌てで声をかけた。
「俺こんなやつ知らねぇって!」
ところが、面倒なことに巻き込まれたくないからか、後ろ手に手を振られて、彼はそのまま階段をおりていってしまった。
え、マジか。
………残されたのは、ボサボサ頭に玄関先で抱きつかれたままの俺ら。
「……」
とりあえず離れろ、と、俺は体をよじった。