キラキラ
第40章 星空に届け
「…………」
「………………」
三和土に突っ立ったまま俯いてるそいつを、俺は、腕組みをして睨みつける。
蹴り飛ばして、強制的に追い出すのは可能だが、そいつは小さく震えてるようだった。
そして、何よりも俺より華奢で、弱そうなやつを、力ずくでどうこう…というのもためらわれた。
俺は、はぁ、とためいきをつく。
「………おまえ、なんなの」
「…………」
「なぁ」
「………」
だんまりかよ。
仕方なく、質問をかえる。
「お前、俺の知り合い?」
揶揄するために投げた言葉。
なのに、あろうことかそいつは、こくりと頷いた。
は?!
今度は俺が驚く番だ。
いくら忘れっぽい俺でも、こんなインパクトあるやつ記憶からとぶわけない。
いやいや。んなわけねーだろーがよっ
俺はガリガリ頭をかきむしる。
「………いや、俺、知らねぇけど」
「………」
ところがそいつは、フルフルと首を振って、ジーンズのポケットからクシャクシャの紙をとりだし、俺に広げて見せた。
……………は?
俺は固まった。
そこには平仮名で、おおのさとし、と書かれている。
しかも。
…………俺の字だ