キラキラ
第40章 星空に届け
衝撃で言葉を失う。
まさかの知り合い?
いや、待てって。
俺は、首を傾げる。
「………俺とどこかで会ったことあんの?」
するとそいつはウンウンと頷いた。
マジ?
俺は戸惑いながら、記憶の引き出しを片っ端からあけてこいつの面影をさがす。
同級生、取引き先、バイト先………
でもどんなに考えても覚えがないのだ。
「……どこで」
仕方なく、問うと、そいつは、アッチとばかりに、北方面を指さす。
俺は、ずっこけそうになる。
………って、いやいや、どこだよ!
「………言葉で教えろよ」
あきれてため息をつくと、そいつは困ったように首を振って肩をすくめた。
……………。
軽い違和感。
そういえばこいつの声をさっきから一度も聞いてない。
俺は、ボサボサな風体には不釣り合いなほどの、そいつの瑞々しい茶色い瞳をみつめた。
「………喋れって」
もう一度促しても、そいつは唇をかんで、俺をひたすらみつめてくる。
「………風邪でもひいてんの」
「……………(首を振る)」
「俺をバカにしてんの」
「……………(首を振る)」
まさか。
「…………喋れねーの?」
「………(頷く)」
……………………マジか