キラキラ
第40章 星空に届け
結果として。
俺とニアミスがあったかもしれないこいつを、この寒空の下、放り出すのは、なんとなく人としてできなかった俺は、
「部屋のものに一切触れるな」
という、ただ一点だけを約束させて、あがることを許可した。
こっくり頷いたやつを確認し、俺はため息をついて、コタツにもどる。
だが。
「……………」
ガンガンと無遠慮にノックしてきたわりには、こいつは入ったら入ったでオドオドと部屋の隅につっ立ったまま動こうとしなかった。
「………なにしてんの?」
仕方なく声をかけてやる。
電気ストーブは電気代節約でめったに使わない。
この家の暖は、コタツのみだ。
したがって、部屋の温度は外よりはマシとはいえ、寒いはずだ。
俺はすっかり冷えてしまった両手を温めようとコタツにつっこんだまま、顎で促した。
「入れば。」
「………」
「かまわねぇから」
「……………(頷く)」
やつは、うん、と頷いてそろそろと俺の向かいに腰をおろした。