キラキラ
第40章 星空に届け
すっかり冷えてしまった酒に口をつけつつ、黙って目の前の男を見つめる。
さっきから震え続けてるこいつに、一瞬、酒をすすめようとしたが、まてよ、と思い直す。
最初から感じていたことではあるが。
こいつはえらく童顔なのだ。
「おまえ、いくつ」
「……………」
少し間をおき、そいつの指が1、つづいて9を示した。
…………………え
「………19?」
「……………(頷く)」
「あ、そ……」
おお………危ねぇ。
酒飲ませるとこだった。
つか。
未成年かよ。
俺は、うーん、とあたまをかいた。
ますます俺との接点が謎だ。
年齢がここまで違う知り合いは皆無だ。
だが、ほんとにこいつが俺を訪ねてきたというのならば、ここまで俺が覚えてないのも問題である気がしてきた。
なんたって、俺の字を持ってるのが何よりの証拠で。
…………………
………震えながらうつむいてるそいつに、なぁ、とまた声をかける。
「なんでそんなに薄着なの」
「…………」
「上着は」
「……………(首を振る)」
「寒いに決まってんだろ。バカか」
俺は、畳のすみに脱ぎ捨ててた半纏に手を伸ばし、ん、と差し出してやると、そいつは、ぺこりと頭を下げ、もそもそとそれを着た。