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キラキラ

第8章 バースト

かずが、泣きそうな顔をして、小さく首をふり続けてるのが、気になる。


「…………かず?」


もう一度、大野さんが静かに促した。


「…………あ…………」


「かず。相葉くんはなんて?」


「直接の…………呼びかけじゃないんだ、多分。
これ…………無意識で…………」


「うん。…………なんて言ってる?」


「…………助けて…………って」



ガタンと大野さんが立ち上がった。


「翔」


「うん」


大野さんの口調に、翔も立ち上がり、俺を見た。


「潤は、どうする」

どうする…………って。

なんか、雅紀にいけない何かがおきてる。

行かないわけないだろ。


「行く」


「じゃ、靴持ってきて。二人分。ベランダから飛ぶ」


言われて、バタバタと、玄関に走る。


戻ってきたら、大野さんが、かずの隣に座り、かずの片手に指をからませ、にぎりしめてた。

その手に自分の額をつけて、目を閉じてる。


翔が、真剣な顔で、そんな大野さんを見てる。


…………視てるんだ、これ。

大野さんがチカラを使ってる。



そのうち、大野さんが、ふと綺麗な眉を少ししかめた。
 
そして、その顔が、辛く歪んだ。

大野さんが、ぎゅっと唇をかんだのが、分かった。


なに…………?
なんだよ??



「………翔…………潤…」

絞り出すような声。

「急げ。…………相葉くんヤバイ」


…………なんだって…………!

翔と顔を見合わせた。


場所送るよ、と、かずに言われる。

え、と思うまもなく、脳裏にクリアな映像がぶわっと広がった。

大野さんが視てる映像が、かずによって中継されてるのに気づく。

「え。これどこ??!」

翔が、焦った声をあげる。

暗い。
倉庫のようなだだっ広い場所。

何人かが立ってる。
怒声をあげたり下劣な笑いをしていて。

で。

その足元に転がってるのは。


「…………雅紀!!」

うつぶせに倒れてぴくりとも動いてない。

「…………あ………っ…」


カッとした。

一瞬で血が沸き上がった。


どくん…………と心臓がなった、

咄嗟に、

「翔…………!」

根拠もなく、傍らにいた翔の細い腰を引き寄せた。

「跳ぶから。場所一緒にイメージして」

んな、うまくいくかわかんないけど、翔と一緒ならできる気がする…………!

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