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キラキラ

第8章 バースト

その見たことがない冷たい笑みに、うすら寒さを覚え、翔を、本気で怒らせないようにしよう……と、密かに心に誓う俺だ。

そんな俺の心中を知ってか知らずか。

「さ。帰ろ」

気をとりなおすように、翔は、ニコリとした。
さも何事もなかったのごとく。

「あ…………ああ」

見ざる聞かざるだ。
俺は、ノーコメントを選んだ。




座り込んでる雅紀の横にしゃがんで、肩を抱く。
翔が、俺の横に片膝をついて、俺の右手の指と、自分の左手の指をからめてつないだ。

ふうと、深呼吸する。

雅紀が心配そうに俺を見てるのが分かった。
俺は、大丈夫、というように頷いた。
次に、翔を見た。
翔の大きな目が、じっと俺を捉える。
いつでもいいぞ、と言われてるような目力に後押しされて、こくり、と息をのんだ。

翔の口角があがった。
俺も、それをみて、にやりと笑った。


…………大丈夫…………できる。




目をとじた。




体の奥底にあるチカラをイメージして、徐々にふくらませていく。
つないだ手から流れ込む翔のチカラが、わきあがる俺のチカラを更に引っ張り出してくれてるのが感じられた。


温かい…………熱い


血流が気の流れが。ぐるぐる加速し始める。
心臓がトクトク言い出した。



白い世界はまだ……だろうか……?



はあ…………と、息をついて、眉間にシワを寄せる。



集中…………!



「…………キッカケが、いるな、やっぱり」



真横で、翔が、呟いた。

え?と思った瞬間、翔の右手が俺の顎にかかった。くいっと引っ張られ、柔らかいものが、俺の唇をふさいだ。


「?!」


「わ!」


雅紀がびっくりしたような声をあげた。


なっ…………
 

声をあげかけたら、何かがするりと入り込んできた。


パチッと目をあける。


至近距離に翔の顔。


「…………っ」



キスされてる?!



翔が、ねじこんできた舌で俺の口内をくるっとかきまわした。



「………んっ…!!!!」




心臓が、ドキンと、高鳴った。



瞬間、バシリ!という音とともに、視界が一気に白くなった。

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