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キラキラ

第10章 100パーセント

チュ…………チュと、音をたてながら、何度も角度をかえてキスする。

俺と違うタイミング。俺と違うキスの仕方。

ああ………今……されてる側だ、俺。

甘いキスを繰返しながら、心臓がドキドキ高鳴りはじめた。
翔くんが好きという思いと、これから始まるであろう行為に対する不安がないまぜになって、頭がくらくらする。

翔くんの右手が、俺を抱きよせ、大きな左手で頬を包みこまれた。
唇を少し離して、くっと、翔くんが笑う。

「なんて瞳してんだよ…………」

…………え?と返事をしかけた唇を、今度は深くふさがれる。

「…………んっ…………」

深く深く唇をふさがれ、翔くんの舌が暴れまわる。
吐息も何もかも飲み込まれる…………蹂躙されてることに、めまいがする。

…………気持ちがいい。

「…………ん………ん……」

やばい。
甘い声がとめられない。


てか、このままだと、本当にこのままヤられちゃう。

どうしよう。

…………俺は、どうしたいんだろう。

「…………ふっ…………ぁ」

ゆっくり唇が離される。
…………舌も唇も甘く痺れて感覚がない。

はあ…………と、喘ぐ俺を、熱い目で見つめてから、翔くんは、唇を俺の頬に滑らせ、舌先で俺の首筋に触れた。

背中をぞくぞくとした快感が走り抜けた。

翔くんの指先が俺のスエットの下から入り込み、胸に触れた。

瞬間。

一ミリだけ残ってた意地で、その手をがっちりつかまえた。

「…………潤?」

突如中断させられた翔くんが怪訝な声をあげた。

「…………」

「なんだよ…………?」

「あの…………」

「ん?」

「きょ………今日は、俺が上になりたいな…なんて」

「…………騎乗位?」

「!違う!!」

あわてて否定する。

「…………俺が…………その、翔くんを抱きたい」

「…………」

「だめ?」

「だめ」

即答だった。

「俺に入れたいなんて、100年はえーよ」

…………いや、俺、一週間前にあなたに入れましたけど!

言い返したいけど、説得力がなさすぎて、俺は、黙った。

「言いたいことはそれだけ?」

「…………うん」

翔くんは、くすりと笑って力をなくした俺の手を振り払った。

「じゃあ、黙ってろよ。気持ちよくしてやるから…………」

言って、今度こそ俺の胸に指を這わせた。





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