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キラキラ

第10章 100パーセント

じっと黙った翔くんに、俺は、あわててつけ加えた。

「ほら…………プレイだよ。そうだ、ハツモノプレイ」

「…………」


口に出してから、我ながらバカな提案だと思い、言った自分にげんなりした。

翔くんは、俺をみつめてる。

ダメか…………ダメだよな。

俺は、あきらめて、そっと深呼吸を繰り返した。 

とにかく…………まずは指を受け入れなきゃ。
翔くんが、いきなり、指を増やしてきたらどうしよう。
力を抜く感覚が、イマイチよくわからない。
いつも、翔くん、上手にしてるよな。
…………ちょっと尊敬する。

ぎゅっとシーツをにぎりながら、深呼吸して、翔くんの指を感じてると、


「わかった」

唐突に翔くんが言った。

「?」

「おまえ、最初からそのつもりだった?初々しさ半端なかったぜ?」

「…………」

「体も、まるで初めてみたいな反応するし。たいしたもんだよ」

「…………」

「……ハツモノ?…………それ。のってやるよ」


翔くんは、妖しく微笑んだ。


これは、喜んでいいとこかな?

てか、信じてくれるんだ。
初めての演技か…………演技にしちゃリアリティーありすぎだろ。

「お手柔らかに」

でも…………助かった。

俺もつられて、ふふっと笑った。
これでぎこちなくても、おかしくない。


翔くんは、俺にいれてる指を一回抜いて、サイドボードに手をのばし、小さなボトルを手にした。

「ローションって知ってる?」

楽しそうに聞く翔くんに、何を今更と思うけど、
俺がふった遊びにつきあってくれてる設定だから、無下にできない。

「…………なにそれ」

いや、おなじみのアイテムだけどね。

俺は、精一杯普通の顔で聞く。

「男同士のエッチには、必要なものなんだぜ?でないと、お互い辛いから」

言いながら翔くんは、自分の指にたらして、ほら、と俺に見せてきた。

「指。入れるよ?」

「…………うん」

強ばった顔の俺に、翔くんは、くすりと笑う。 

悪いけど、演技じゃねえし。こっちは。
さっきから、手が震えてるのを隠すのに必死なんだから。

翔くんの指が再び俺の後孔をさぐりあて、ゆっくり侵入してきた。

「…………っ」

「潤?…………息吐いて」
 
「…………はっ……」

「そうそう」
 
優しくリードされながら少しずつ体内に、翔くんの指が飲み込まれていく。

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