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キラキラ

第10章 100パーセント

「信じられないだろうけど………」

一生懸命言葉を選んで伝えた。
翔くんが握ってくれてる手のぬくもりを感じながら。

俺は、翔くんを見上げた。
翔くんは、じっと黙って真っ直ぐ俺を見つめてくれてる。

その顔が、ふっとゆるんだ。

「いや……………………信じるよ」

翔くんが静かに頷いた。

「実はさ、俺も他のメンバーも、今日の潤はなんかおかしいって言ってたんだ」

「…………」


「さっき、おまえの体に直接触れて、分かった。…………おまえ本当に初めてだろ。演技じゃねえよな」

「…………うん」

「だいたいさ、一週間前にしたばかりなんだよ。
俺ら。なのにさ、このキツさは、ありえねーもん」

………どういう決定打だ。

でも、理由はどうあれ信じてくれたのが嬉しい。

「そーかー。潤は潤だけど、潤じゃねんだ。不思議だな」

「…………翔くんが知ってる俺ってどんなの?」

「ええと。……ははっ……可愛くて。もっと…………こう、ヘタレキャラだな」

ぶっ。

俺まだ、ヘタレてんの??昔から成長してねーじゃん。

「可愛いんだ」

「おお。そりゃ、もう。しょうくんって後ろからついてきて離れねえよ?」

嬉しそうに説明してくれる翔くん。
…………鼻の下のびてる。

俺は、くすくす笑った。
愛されてんな、おれ。

「で、エッチは、大胆ですげーエロイ」

「…………」

「あんあんいって、そりゃ、もう可愛いぞ?」

「…………じゃあ、まるきり俺とは正反対だな」

コメントに困るじゃないか。
大胆…………信じらんねえ。

翔くんは俺の頬をさわり、大きな目でじっと顔をのぞきこんでくる。

「いや…………可愛いのはかわらない」

「…………やめろよ」

なんだか、恥ずかしい。

「本当だよ。どんな潤でも潤だ」

顔が赤くなるのが分かる。
どうにも恥ずかしくなり、慌てて、目をそらそうとしたら、ガシッと顔を固定され、そのまま唇がおりてきた。

「…………愛してる」


…………もう。この翔くんは、タラシの才能もありそうだ。

チュッ……と、唇を離して、翔くんはにやりとする。

「今日のおまえはさ。異常なほど、色気があるんだよな」

「…そう?」

「すげーそそる」

その言葉、そっくり返すよ…。
俺は、ぼんやりと翔くんの強い瞳を見返した。

今日の翔くんにはクラクラされっぱなしだ。

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