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キラキラ

第1章 アーモンド

バゲットと、ミネストローネ(野菜スープ、と言ってたら、潤に訂正された)と、温野菜のサラダ。

今朝から、ずーっと食欲がなかったはずなのに、とても美味しくて、俺は、完食。

「こんなに、食べてくれるなら、パスタとかも作れば良かったね」

「多分食えたな」

顔を見合わせて、笑った。

身体のすみずみまで、あたたかくなって。

心もあたたかくなった。

「ごちそうさま。……ありがとな」

今日、何回、口にしたか分からない感謝の言葉を、また口にすると、潤は、うん、と言って、困ったように眉をさげた。

「……そんな、可愛く言わないでよ」


「は?可愛いって(笑) おかしいだろ」


混ぜ返してみたものの、そんな風に、言われたらこっちもなんだか焦ってしまう。



「風呂入りなよ。着替え貸してあげるから」

風呂あっちだよ、って促されるまま、バスルームに行く。

「お湯張ってるから、ゆっくり入りなよ。シャワーだけなんてダメだからね」

潤が、なんだか世話焼きの母親みたいになってきた。

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