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キラキラ

第10章 100パーセント



「どうもしない…………ごめん」

俺は、ぐずっと鼻をすすって、翔くんの肩から顔をあげた。
手のひらで、涙をぬぐい、心配そうな表情で俺を見上げる翔くんににこりと笑ってみせた。

「…………ちょっと、怖い夢をみてた」 

「………それでそんな泣く?」

「…………怖いよ。翔くんに二度と会えないかと思ったから」

翔くんは、はははっと眉をさげて笑った。

「夢だろ?」

「うん。すっげーリアルな夢だったもん」

「なんだ、それ」

俺は、翔くんをもう一度ぎゅっと抱きしめた。
翔くんの感触が、嬉しい。
この柔らかさが、幸せ。

翔くんが、俺の胸に、ちょんと、額をのせた。

「…………心配しなくたって、どこにも行かねえよ。潤のいる場所が、俺の居場所だ」

小さくささやいてくれた言葉。
心に染みる言葉。

「うん。俺も。翔くんがいる場所が、俺の居場所」

嬉しくて。
翔くんの顎を上向かせて、もう一度キスした。
舌を差し込んでも、翔くんは何も言わず、こたえてくれる。

「…………ん……ん」

翔くんの甘い声。

うわーダメだ……………我慢できない。

俺は、素早く体をおこして、翔くんを組み敷いた。
入れたい。
感じたい。

こら、朝からなにすんだ、と言わんばかりに笑いながら抗議しようとした、翔くんの目が、ふと一点を捉えて、止まる。

「…………これ、なに」

翔くんが低く呟く。視線の先は俺の首。

「こんなん俺、つけてねえぞ」

「?」


翔くんの指先を自分でなぞり、………………あ、と思う。

あっちの翔くんがつけたキスマークじゃん!!

「…………説明しろよ」

「違う!これ、翔くんがつけたやつ!」

「いーや。俺は、つけてねぇ」

「つけたよ!」

「つけてねえ」

「覚えてないだけだよ。翔くん以外に、誰がいんだよ?」

翔くんの目が不穏に細められた。
俺の立場が悪すぎる。
なんだよ、この結末!



あの、くそ管理人!


意識がとぎれる瞬間、腰痛と中出しの後処理は、サービスしてあげるって恩着せがましいこと言ってやがったけど、詰めが甘いんだよ!

「じゅーん?」



誤解だああああっ!!!

     
           
               end,

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