キラキラ
第11章 sweet
床暖の上に隣あって胡座をかき、でっかいテレビで深夜番組を見る。
以前に一緒に仕事をしたことがある芸人さん。
新しいネタに、二人で大笑いした。
翔ちゃんの手には、ビールの入ったグラス。
俺は、大福。
………ああ、幸せ。
さっきまで寂しかった。
いつもは、なんてことない一人の時間が、空間が、妙に孤独で。
時々、こんな気分になる。
それもこれも翔ちゃんと付き合いだしてから、だ。
今まで人恋しいなんて、思ったことなかったのにな、俺。
それも、人恋しいとはいえ、誰でもいいわけじゃない。
翔ちゃんじゃなきゃ、ダメなんだ。
隣で笑ってる翔ちゃんの体温が感じられて温かい。
…………声が温かい。
グラスに口をつける翔ちゃんをじっと見てたら、ん?と大きな目がこちらを向いた。
「どうしたの」
「あ…………いや、なんでも」
くすっとわらった翔ちゃんの右手がゆっくり動き、俺の後頭部に触れた。
ドキリした瞬間、そのままひきよせられ、翔ちゃんの唇が俺のと重なった。
「…………っ」
一度重なった唇は1回離され、ペロッっと唇を舐められ、また重なった。
「…………粉ついてるよ」
低く笑われて、体を離された。
大福をもったまま固まってしまう。
唇に触れた柔らかい感触に、胸がドキドキする。
ふわりと、ビールの味がした。
真っ赤な顔を悟られないように、うつむいたまま急いで手にしてる残りの餅を口に押し込んだ。
いきなりカッコいい顔すんなよ。ずるい。
一方、なんでもないことのように、翔ちゃんは、俺が食い散らかした餅のパッケージを手に、あーあ、という口調で俺を見る。
「見て。これ。さっきの桜餅236キロカロリーだって。その大福、234キロカロリー」
「…………」
まじでさ…………。
興醒めするようなこというなってんだよな。
俺のドキドキを返せ。
「去年、占いで、今年は太らないようにきをつけましょうって言われてたよね?」
「…………分かってるよ」
俺は、口を尖らせて、あてつけのようにロールケーキの袋をあけた。
なんだよ。
小姑みたいなこと言ってんなよ。
カサカサと音をたて、中身をだそうとしたら、
「でもさ」
ふふっと笑って翔ちゃんの手が、そのロールケーキを取り上げる。
「ちゃんとその分のカロリー消費したら、プラマイゼロだよ?」
以前に一緒に仕事をしたことがある芸人さん。
新しいネタに、二人で大笑いした。
翔ちゃんの手には、ビールの入ったグラス。
俺は、大福。
………ああ、幸せ。
さっきまで寂しかった。
いつもは、なんてことない一人の時間が、空間が、妙に孤独で。
時々、こんな気分になる。
それもこれも翔ちゃんと付き合いだしてから、だ。
今まで人恋しいなんて、思ったことなかったのにな、俺。
それも、人恋しいとはいえ、誰でもいいわけじゃない。
翔ちゃんじゃなきゃ、ダメなんだ。
隣で笑ってる翔ちゃんの体温が感じられて温かい。
…………声が温かい。
グラスに口をつける翔ちゃんをじっと見てたら、ん?と大きな目がこちらを向いた。
「どうしたの」
「あ…………いや、なんでも」
くすっとわらった翔ちゃんの右手がゆっくり動き、俺の後頭部に触れた。
ドキリした瞬間、そのままひきよせられ、翔ちゃんの唇が俺のと重なった。
「…………っ」
一度重なった唇は1回離され、ペロッっと唇を舐められ、また重なった。
「…………粉ついてるよ」
低く笑われて、体を離された。
大福をもったまま固まってしまう。
唇に触れた柔らかい感触に、胸がドキドキする。
ふわりと、ビールの味がした。
真っ赤な顔を悟られないように、うつむいたまま急いで手にしてる残りの餅を口に押し込んだ。
いきなりカッコいい顔すんなよ。ずるい。
一方、なんでもないことのように、翔ちゃんは、俺が食い散らかした餅のパッケージを手に、あーあ、という口調で俺を見る。
「見て。これ。さっきの桜餅236キロカロリーだって。その大福、234キロカロリー」
「…………」
まじでさ…………。
興醒めするようなこというなってんだよな。
俺のドキドキを返せ。
「去年、占いで、今年は太らないようにきをつけましょうって言われてたよね?」
「…………分かってるよ」
俺は、口を尖らせて、あてつけのようにロールケーキの袋をあけた。
なんだよ。
小姑みたいなこと言ってんなよ。
カサカサと音をたて、中身をだそうとしたら、
「でもさ」
ふふっと笑って翔ちゃんの手が、そのロールケーキを取り上げる。
「ちゃんとその分のカロリー消費したら、プラマイゼロだよ?」