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キラキラ

第11章 sweet

翔ちゃんは、俺が嫌がることは、絶対にしない。

今も、多分すごく我慢してくれてる。

体は重ねないのに、くっつくのはオッケーだなんて、まじで生殺しだ。

………だから。これくらい。


「………キス…なら、いいよ」

小さく言うと、翔ちゃんは、深く笑って顔を近づけてきた。
俺は、目をとじて柔らかい感触をうけとめた。




「…………あのね、しょ…………う」

「ん?」

「…………んんっ…………」

えっちは、嫌だ。

キスならいいよ。

そんなご都合主義な俺の意見に、忠実な翔ちゃんは、しつこいくらいキスだけをしてくる。
さっきからずーっと舌をからませてる俺たち。

床に両手を縫い付けられ、覆い被さられて、ちゅっ、ちゅっと繰り返されて。

床暖のせいで、背中がホカホカしてるせいなのか、翔ちゃんのキスで、オンになったのか、汗がでてしょうがない。体が暑くて。下半身は熱い。

逃げようとした顔は、やや強引に戻されて、キスから離してもらえない。

キスならいいよって言ったよね?

翔ちゃんの目が楽しそうに細められた。



ダメだ…………翔ちゃんにはかなわない。

この状況で、なにもないだなんて、あるわけないんだ。

こうなることは読まれてたんだ………きっと。

キスを許した俺の負けだよね。

「しょ…………ちゃん」

「ん?」

「………………………あの…………」

「キスだけだろ?」

俺は、はあ…………と吐息をついて、首をふった


「…………あついよ」

「…………脱ぐ?」

「ねえ…………」

「汗まみれだね…………智くん」

「翔ちゃん」

「…………」


俺の切羽つまった声は、翔ちゃんの笑いを誘った。まるで、勝った、といわんばかりのどや顔。

「いやじゃない…………?」

それでも、最後にもう一度確認してくるあたりは、律儀だね。
だいたい、こんな状況に誰がしたと思ってんの。

「…………やじゃないから…………」

だから、早く。

翔ちゃんは、にやりと笑ってとんでもないことを言った。

「30分いちゃいちゃすると、約230キロカロリー消費するらしいよ? 一時間くらいしちゃおうか」

…………それは、無理です。

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