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キラキラ

第12章 ほたる ~バースト2~

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翔のチカラで、空を飛び、あっというまに自宅マンションに到着した。
ふわりとベランダに降り立つ。

カラカラと扉をあけて、翔が、ただいまーと入っていった。

「かず。着いたよ」

降り立ったその場から一歩も動こうとしないかずに声をかける。

空の上で、改めて俺らも能力者だと聞いて、最初は驚いてたかずも、そのあとは嬉しそうにしていた。
初めて空を飛び、笑顔をみせてた。
苦しそうな顔と、泣き顔しかみたことなかったから、俺も嬉しくなる。
笑ったら、意外に幼くなるなあ、という印象だ。

翔も、かずの助けを求める声がきこえたわけが、わかり、驚き納得してた。
能力あって良かったな、と言えば、複雑そうな顔で、かずは笑った。

そして、少なからず俺も興奮してたりする。
…………初めて自分たち以外の能力保持者をみつけた。



いろんな話を聞いてみたいよ。



「かず?」



動かないかずに気づき、もう一度声をかけた。
かずは、我に返ったかのように、ビクッと身を震わせて俺を、揺れる目で見上げてきた。



「…………いいよ。入りな?」

「………………は………い」

「…………?」


潤んだ瞳。赤く火照った頬。
自分で自分を抱きながら、今にもその場に崩れおちそうな、かず。



あれ…………やばいかな?



発熱したまま、あちこち歩き回り、挙げ句の果てに襲われたんじゃ、調子も悪化するか。



「大丈夫か」



肩にふれると、かずがピクリと身体を震わせた。


「大丈…………夫…………っ」


かずが前屈みになった。
腹が痛いのか。
吐き気がするのか?

俺は、あわててかずの肩を抱いて顔をのぞきこんだ。


「え………おい、かず?」

「…………あっ」

かずは、小さな声をあげて身体を震わせた。


「…………さわ…………んないで」

「…………え?」

「ごめっ…なさ………なんか…………へん」



かずのからだが異常に熱い。

息も荒い。

高熱だ。

早く寝かせなくては。


「かず、とにかく…………」


入ろう、と促すために肩を抱き寄せたら、かずはまた声をあげた。


「やっ!…………あ」

「…………」

そこで、俺もようやく、なんだかおかしいことに気づく。

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