テキストサイズ

キラキラ

第1章 アーモンド


「……んっ」

ガッシリつかまえられ、身動きできない状態で、口づけられる。
身をよじって離れようとしたら、更に上回る力で抱きしめられた。
酔ってるからなのか、寝ぼけているからなのか、潤の力には加減がない。

(……こっの、筋肉ばかっ……)

苦しい、と、声をあげようとして、口をうっかり開いたら、するっと舌が入り込んできて。

「……ん……うんっ……」

潤の舌が俺の舌にからんできて、口腔内を犯される。
何度も角度をかえて、繰り返されるキスに、だんだん頭がボーッとしてきた。

(……どこで、……覚えんだ、こんなん……)

シンとした、室内に響く水音に、体が熱くなってきた。
抵抗する力もなくなり、俺はされるがまま。

……こいつ、恐ろしくキスが上手い。


「…んん…はっ……は」


ようやく唇が離されて、荒い呼吸を繰り返す俺を抱きしめてた腕が、いきなりゆるんだ。

「っ…!…あれっ」

その場にそぐわない、すっとんきょうなクリアな声。

はあ……はあ……と息を弾ませながら、力の入らない腕を必死でのばして、体を離した。

「……おまえ……冗談にもほどがあんぞ」

固まったたま、動かない潤に、ちょっとだけ笑ってみせる。

でも、直感で分かる。

潤の表情、まとう雰囲気。
今のキスは多分。


「……冗談じゃ、ないよ」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ