キラキラ
第1章 アーモンド
********************************************
J
途中で眠ってしまったが、直前に見てたアクション映画のせいだろう。
夢うつつに、主人公が、人質になった恋人を助けにいったところまでは覚えてる。
そこから、ラストシーンまでは、自分の希望的観測にもとづき、自分が大事な人を助けにいく話にすりかわってた。
大事な人、イコール、俺の場合は翔くんで。
翔くんを無事に救いだし、ラスト、熱い口づけをかわしてハッピーエンド……なんていう、なかなか幸せな展開だった。
夢のうえでは。
(ん……?)
だけど、唇に妙にリアルな、感触が残る。
腕の中に温もりもある。
極めつけは、鼻にぬける甘い声が、至近距離で聞こえて……。
「!」
急に視界がクリアになった。
「……あれっ」
腕の中から、荒い呼吸を繰り返す翔くんが、離れていく。
真っ赤な顔をして。濡れた唇で。
「おまえ……冗談にもほどがあんぞ……」
「……!」
一瞬で、自分がしでかしたことを理解した。
(ヤバイ……)
言い逃れは、まったくできないこの状況。
なら、じぶんにできるのは。
……俺は腹をくくった。
自分にできるのは、正直になることくらいだ。
「冗談じゃ、…ないよ」
翔くんは、潤んだ瞳で、その言葉の真意をはかるように、まっすぐ見つめてきた。
だから、俺も、まっすぐ見つめ返した。
J
途中で眠ってしまったが、直前に見てたアクション映画のせいだろう。
夢うつつに、主人公が、人質になった恋人を助けにいったところまでは覚えてる。
そこから、ラストシーンまでは、自分の希望的観測にもとづき、自分が大事な人を助けにいく話にすりかわってた。
大事な人、イコール、俺の場合は翔くんで。
翔くんを無事に救いだし、ラスト、熱い口づけをかわしてハッピーエンド……なんていう、なかなか幸せな展開だった。
夢のうえでは。
(ん……?)
だけど、唇に妙にリアルな、感触が残る。
腕の中に温もりもある。
極めつけは、鼻にぬける甘い声が、至近距離で聞こえて……。
「!」
急に視界がクリアになった。
「……あれっ」
腕の中から、荒い呼吸を繰り返す翔くんが、離れていく。
真っ赤な顔をして。濡れた唇で。
「おまえ……冗談にもほどがあんぞ……」
「……!」
一瞬で、自分がしでかしたことを理解した。
(ヤバイ……)
言い逃れは、まったくできないこの状況。
なら、じぶんにできるのは。
……俺は腹をくくった。
自分にできるのは、正直になることくらいだ。
「冗談じゃ、…ないよ」
翔くんは、潤んだ瞳で、その言葉の真意をはかるように、まっすぐ見つめてきた。
だから、俺も、まっすぐ見つめ返した。