キラキラ
第1章 アーモンド
部屋が急にしんとする。
聞こえるのは、楽屋の外を時々行き交う足音と、翔くんの寝息。
そして、俺の鼓動。
うるさいくらいに心臓が鳴り響いてる。
(ドキドキする…)
がらにもなく緊張してきた。
いや、何かするわけでもないけれど。
…できないけど。
ちょっと手をのばせば届く距離。
好きな人と、二人きりなこの状況。
…今の俺には拷問でしかない。
ため息をついて、両手で顔をおおう。
「マジなんだよ…」
呟いて、手の隙間から翔くんの寝顔を見つめる。
今の関係を崩すくらいなら、気持ちを伝える気はない。
翔くんに、気持ち悪がられたりしたら、多分俺は立ち直れない。
だから、いいんだ。このままで。
決めたはずなのに。
無防備な彼を前にして、その決心がゆらいでる。
(触れたい…)
その、髪に。その、頬に。その…唇に。
誰もいない。
本人は寝てる。
(神様…)
気がついたら、ソファに歩みより、翔くんの髪に手をのばしてた。
サラサラの髪。
整髪料の香りがフワリとした。
「……」
そっと頬に手を添える。
起きたら、やめよう。
そう思うのに、翔くんは、ぴくりともしないで眠り込んでる。
「……好きなんだよ」
小さく小さく呟いて、そっと唇を重ねた。
滑稽なくらいに震えてる俺。
寄せた頬から、翔くんの香りを感じて、たまらなくなって、体を離した。
柔らかい唇の感触が、カッと、体を熱くした。
「…っ…ダメだ。頭ひやそ…」
少し早いけど、先にスタジオに向かうことにした。
聞こえるのは、楽屋の外を時々行き交う足音と、翔くんの寝息。
そして、俺の鼓動。
うるさいくらいに心臓が鳴り響いてる。
(ドキドキする…)
がらにもなく緊張してきた。
いや、何かするわけでもないけれど。
…できないけど。
ちょっと手をのばせば届く距離。
好きな人と、二人きりなこの状況。
…今の俺には拷問でしかない。
ため息をついて、両手で顔をおおう。
「マジなんだよ…」
呟いて、手の隙間から翔くんの寝顔を見つめる。
今の関係を崩すくらいなら、気持ちを伝える気はない。
翔くんに、気持ち悪がられたりしたら、多分俺は立ち直れない。
だから、いいんだ。このままで。
決めたはずなのに。
無防備な彼を前にして、その決心がゆらいでる。
(触れたい…)
その、髪に。その、頬に。その…唇に。
誰もいない。
本人は寝てる。
(神様…)
気がついたら、ソファに歩みより、翔くんの髪に手をのばしてた。
サラサラの髪。
整髪料の香りがフワリとした。
「……」
そっと頬に手を添える。
起きたら、やめよう。
そう思うのに、翔くんは、ぴくりともしないで眠り込んでる。
「……好きなんだよ」
小さく小さく呟いて、そっと唇を重ねた。
滑稽なくらいに震えてる俺。
寄せた頬から、翔くんの香りを感じて、たまらなくなって、体を離した。
柔らかい唇の感触が、カッと、体を熱くした。
「…っ…ダメだ。頭ひやそ…」
少し早いけど、先にスタジオに向かうことにした。