キラキラ
第1章 アーモンド
「…………」
「…………」
力が入らないのか、その場にへたりと座り込んだままの翔くんは、俺から目をそらさない。
まるで、俺の心の内を読み取るかのように、大きな目でじっと見上げてくる。
嘘や、ごまかしは、許さない、って言われてるようで。
……自然と口をついて、出た。
「好きなんだ……翔くんが」
言ってから、小さく、ごめん、とつけ加えた。
「……そこで、どうして、謝んだよ……」
ため息をついて、翔くんが言う。
「……だって……」
普通、いきなりこんなこと言われたら引くだろ。
ましてやメンバーなのに……いや、そのまえに性別の問題が……。
ぐるぐると、言いたいことが頭でごちゃごちゃになってる。
緊張のあまり、泣きそうになってきた。
(なんで、こんな展開になるんだよ……)
きっと、今までの関係じゃいられない。
今までの立ち位置を、すべて無にしてしまった。
(これから……どうしよう……仕事……どうしよう)
ぎゅっと唇をかんで、翔くんから、目をそらし、項垂れた。
「……俺、……さ。おまえの笑ってる顔、好きなんだよね」
ポツリと翔くんが言った。
「……おまえが、例え仕事でも、他のやつとキスしてたら、ムカつくし」
「……」
翔くんは続ける。
「……おまえの匂いも好き」
「……匂い……って」
なに、それ。
「ずっと、考えてた」
最後に柔らかい翔くんの声が。
「……多分、俺もお前が好きなんだと思うよ……」
顔をあげた。
困ったように、それでいて、照れている翔くんは、最高に綺麗に笑ってた。