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キラキラ

第14章 LOVE &らぶ

「……………翔ちゃん、あのね?」


「ん?」


おっとこまえな顔で返事してるけど、考えてることは最悪だよ、あなた。

絶対相手を泣かせることになるし、下手すりゃこっちも泣くことになるかもよ。


俺は、ため息をついてもう一度首をふった。



「駄目だよ、お断り」


「なんでだよー?」 

 
マジでいってんの、この人?!


「当たり前だっつーの!」 


「いいじゃん、キスくらい」





「……………よくねえよ」





その場に割って入った低い声に、びくっと二人で振り返った。
いつのまに戻ってきてたのか、入り口に、にのとリーダーが佇んでる。
にのは、やれやれ、という顔をして、頭をかいてる。
リーダーは……………にこりともしてない。



……………怖くね?
大丈夫、これ?




「……………あんたら、なんの相談してんのよ?」


しんとしてるその場の空気を、力の抜ける声で破ったのはにの。
はあ、とため息をつく様に、俺は、慌てて全力で否定した。


「違うよっ!俺は、むしろ翔ちゃんをとめてるの!」


「あー………分かってる分かってる」
 

にのは、苦笑いして小さく頷いた。
その横で、じっと黙って翔ちゃんを見つめるリーダー。
表情がなさすぎて、何を思ってるのか全くよめない。
翔ちゃんは、悪びれもせずに、へへへ、と笑い、
「どこらへんから聞いてた?」と言った。



リーダーはそれには答えず、



「…………俺を拗ねさせたいの?」




と、静かに聞いた。


俺は、思わずにのを見た。
しょうがないな、という顔をしてるにのも俺を見て、目で頷いた。



リーダーめっっっちゃ、怒ってんじゃん??

どーすんの?翔ちゃん!



翔ちゃんを振り返ると、全く慌ててない顔。

むしろ、想定内だよ、と言わんばかりに笑顔さえうかべて。



なんなんだろう。
この絶対的な自信。


リーダーが自分から離れるわけがない、と言わんばかりだ。



「…………可愛い智くんが見たくてさ」


 
ピクリと、リーダーの眉があがった。
リーダーは、そう……………と呟き、一瞬だけ目をふせた。

そして、素早い動きで、傍らのにのの肩を両手で自分の方に向けた。
そして、「え?」とわけがわからない顔をしてる、にの襟元をつかみあげたかと思ったら…にのの唇をふさいだ。



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