キラキラ
第14章 LOVE &らぶ
…え。
一瞬、何が起きたか分からなかった。
にのの、襟元をつかみあげ、ちゅううっと音が聞こえそうなくらい、にのの唇を吸って、こちらを、どうだ!という顔で振り返るリーダー。
そんな彼を、俺は、唖然と見つめた。
……は?
にのはといえば、完全に不意打ちな出来事に、呆然とした表情。
そして、みるみるうちに耳まで真っ赤になった。
…………なに?
何が起きたの?
すると、思考回路が停止中の俺に対して、いち早く翔ちゃんが動いた。
翔ちゃんは、つかつかと入り口付近にたつ二人に歩みより、じっと黙るリーダーの腕をつかんだ。
「……やっと。怒ってくれた」
翔ちゃんが嬉しそうに呟いて、リーダーを抱き締める。
「……」
リーダーは、しかめっ面でその腕から抜け出そうともがいてるけど、翔ちゃんの力に叶うわけもなく。
やがて、バタバタしてた体を、あきらめたように投げ出して、おとなしくなったリーダーは、
「……翔ちゃんの馬鹿」
と小さく言った。
翔ちゃんは、くすりと笑って、仏頂面のリーダーに唇を近づけた。
リーダーは、首を背けようとしたけど、それより早く後頭部を固定する翔ちゃんの手が早くて。
俺らの目の前で激しいキスが始まった。
ふらっと動いたにのに気がつき、俺は、慌てて、駆け寄る。
にのは、真っ赤な顔をしたまま、俺にしがみついてきた。
「………あいばさん………」
「…………にの…大丈夫?」
いろんな意味をこめて、にのの薄い体を抱き締める。
普段、楽屋なんかで触れたことのない感触。
いつでもいちゃいちゃしたい俺にくらべ、にのはそういうとこ淡白だからね。
みんなの前で、いちゃこらしたいなんて、ありえないそうだ。
でも、よっぽどびっくりしたのだろう。
俺の腕からすぐに抜け出ようとしなかった。
それに…傍らからはいやらしい水音と、時折はさまれるリーダーの甘い吐息がきこえてくる。
どんな顔していいのかわからず。
見ていいのかいけないのかも分からず。
俺たちは息をするのを忘れたかのように抱き合って、硬直してた。
しばらくして。
ガチャ…………バタンっ!!
開けられたドアが、慌てて乱暴に閉じられる音とともに。
「お前らっ 場所わきまえろ!!」
潤ちゃんの怒号が響き渡ったのだった。