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キラキラ

第14章 LOVE &らぶ

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風呂上がり。
ビール缶のまま「乾杯」と、ベンっとくっつけてから、にのと、二人で喉に流し込んだ。

ホカホカした体に、きんと冷えたアルコールが染み渡り、うまいね、と自然と笑顔になる。

まだ濡れてる前髪を、首にかけたタオルでふきながら、にのは、あー……と天井をあおいで目をつぶった。

「………災難な一日だった」

俺は、ふふ、と笑って、「俺も」と呟く。

IQの高い人の考えつくことは、まったくもって謎だ、ということが、今日改めて分かったよ。

年長組は、あのあと、平然と収録に臨み、いつも通りの姿をみせた。
完全な、まきこまれ事故状態な俺らの方が、イマイチ挙動不審で、ゲストにつっこまれてしまう始末。
潤ちゃんは、潤ちゃんで、ちょっとぴりぴりしてたし。


「あの人ら、結局なんだったの?」


にのは、残りのビールにチビチビ口をつけながら、ローテーブルにあるビスケットに手をのばした。


「……………今となっては、ただ単に、翔ちゃんがリーダーにヤキモチを妬かせたかっただけ、だと思う」


「はあ?……………馬鹿馬鹿しい」


鼻で笑うにのに、俺も肩をすくめた。


「当人たちは、いたって真剣なんだけどね」


1歩間違えば、大喧嘩になりそうなのに、そうならないのは、翔ちゃんがとにかくリーダーにベタぼれなのと、リーダーの緩さ故……………なのかな。


やれやれ、とソファに身をしずめ、残りのビールをくぴっと飲んだ。
にのも、隣で、背もたれに背をあずけ、ビスケットをモグモグしている。

「…………それはそうと」

「?」

俺は、にのの肩に手をまわし、ぐっと自分に抱き寄せた。
にのが、静かに俺の視線をうけとめて、笑う。


「……………なによ」


「リーダーにおもっくそ、キスされてたね?」



唇が触れそうな程の至近距離で、低く囁くと、にのは、ちょっと顔を赤らめて口をとがらした。


「……………突然だったし」


「隙があるからじゃない?」


言って、口を開け、はむっとにのの薄い唇を食べた。
にのは、薄く笑んで、自分からも口を開き、俺の舌を迎え入れる。
そのまま、舌を絡ませあいながら、お互いの唇の感触を楽しんだ。

チュ……クチュ…と、リップ音が響く。


「んっ……ん……」


にのの吐息に体が熱くなる。




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